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by moon99999
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愛別外猫雑記

愛別外猫雑記笙野 頼子
河出書房新社 2001-03
http://tinyurl.com/6zo5x

野良猫が家のまわりにいたらあなたはどうするだろうか?
子猫が鳴いていたら。

エサをあげると居ついてしまう。
つかまらないから、どんどん増える。
糞はばらまかれる。ゴミ箱はあらされる。
猫嫌いには耐えられないだろう。

その一方でえさをあげる人がいる。
だが、その猫の成長に責任はもたないし、増えるのも放置する。

そういう環境の中で、そのような猫たちを助けるのにはどうしたらいいか?
作者は苦悩しつつ、戦う。

雑記、とあるが戦記、ともいえるようなものだ。

ただ、精神的に平静を保てるような状態ではない。
そのなかで戦うのだから、大変なことだ。

野良の子猫にエサをやって放置する人は、猫を捨てる人間、猫を殺す人間と同じくらい始末に悪い。

そして筆者は究極の決断をする・・・

癒し系に近い作品ではないだろうな、と思いつつ読んでみたら、想像以上に辛い話だった。
エッセイなのだが、「片付けない作家と西の天狗」に近いようなエッセイであり、筆者が極限状況のなかで必死に戦っていることがよくわかる。 (片付けない・・・は本書の後に書かれている。)

かなり大変なエッセイだ。正直なところ、正気のままでは、読みきれない作品かもしれない・・・

お勧め度:☆☆☆   精神的に弱い人間だという自覚がある人には薦めません。読者が壊れる危険があると思います。
ただ、野良猫に餌付けをしたことがある人は、無理にでも読んで、自分が何をやっているのかを考えてください。
その代わり、それで壊れても責任はとれませんが・・・




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by moon99999 | 2005-02-05 00:00 | エッセイ