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by moon99999
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ニッポン泥棒

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ニッポン泥棒 大沢 在昌
文藝春秋 2005-01-15
http://tinyurl.com/dnaoa

尾津は、リタイヤした商社マン。 ハローワークに通ったりしている毎日で、コンピュータもわからない。
そんな彼に、突然水木という男がアプローチしてきた。



尾津は「アダム4号」であって、大規模なコンピュータソフト「ヒミコ」の鍵になっている、という突拍子もない話を告げた。
彼はべつに信じず、気にもとめなかったが、その後、彼にはいろいろな事件が起こり始める・・・

大沢在昌が産経新聞に連載した小説らしい。存在は知らなかった。
ハードボイルドではないが、冒険小説的なエンターテインメント、といえるだろう。

殺人が連続するというのではなく、国際謀略スパイ合戦、のようなものだ。クラシックには
「こけ猿の壷」みたいなものかもしれない。 マンハントと宝探しと謎解きがメーンのストーリーだからだ。
「ヒミコ」は恐ろしい可能性を持っている。 米国の諜報機関が追いかけ、手に入れようとするほどのものだ。

だが、この「ヒミコ」というコンピューターソフトそのものの性格が、いまいち説得力がないような気がした。 人間がつくったソフトなら、人間がそれを凌駕することが可能なはずだ。 つまり、第三者が同じ条件を使って並列処理を繰り返せば、同様のシミュレーションソフトを作成することが可能ではないのだろうか。

それはさておき、リタイヤしたサラリーマンの尾津が、まきこまれたからではあるが、超人的な働きをする。彼の働きのバックグラウンドには、昔から彼が未来を信じている、ということがあるようだ。あるいは、過去に国のため、会社のためと思って行ってきたことに関しての罪滅ぼしもあるのかもしれない。

スーパー引退サラリーマン尾津の活躍を楽しむのが、正しい読み方だろう。ソフトに関するいろいろな議論はおいておいたほうがいいと思う。

お勧め度:☆☆☆1/2 冒険度は期待にはちょっと足りないかもしれません。



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by moon99999 | 2005-05-08 23:33 | エンターテインメント系