読んだ本について感想を述べたり述べなかったり・・・書評・コネタ連動メルマガも登録宜しくお願いします。 「濫読ひで」より


by moon99999
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カテゴリ:文学系( 36 )

むかしのはなし

4344007417むかしのはなし   三浦 しをん
幻冬舎 2005-02-25
http://tinyurl.com/e45d6

日本の昔話の要約が最初に出てくる。そして、始まる物語は現在、あるいは近未来の話になっている。
「かぐや姫」の話が出た後、プレイボーイの男性の述懐が始まる。これは電話での話しだ。
そう。彼はかぐや姫のように、異性に対して無理難題を言う。彼はホストなのだ。
だが、いつかその報いは訪れる。 月からの使者ではなく、違う使者が彼のところに訪れてしまう。 そして彼が携帯電話で告白したことは・・・

あるいは、「ロケットの思い出」という話は、花さか爺だ。 昔、ロケットという犬を飼っていたときの思い出話だ。そしてロケットが死んだのは・・・

この次あたりから、期せずして連作短編集となる。地球に大変なことが起こるのだ。
♪地球が地球が大ピンチ~~ 
まるで、「ひとめ、あなたに・・・」の世界だ(知らなくてかまいません)。

極限状況になると、人はどういう行動をとるのか。 それが淡々とした筆致で描き出される。決して不快にならないような形の描写で。

桃太郎、のもじりの話が最終話に出ている。
モモちゃんは乱暴者だが、ぼくはモモちゃんにあこがれていて、大好きだった。
モモちゃんは暴力的だ。だが女にもてる。

「だれかを好きだった記憶もなくなるぐらい生きて、俺が死んでも気づく奴が一人もいないほどになったら、そのときやっと、俺は本当に自由になれるんじゃないかと思うんだ」 ニヒリストっぽいモモちゃんの発言だ。
だが、モモちゃんは、 なにから自由になりたかったんだろう。

そして、ぼくのモモちゃんへの悔恨の思いは、時を越えてずっと伝えられていくだろう。


お勧め度:☆☆☆☆1/2 昔の話か未来の話か・・・


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by moon99999 | 2005-08-20 01:11 | 文学系

gift

4087747212gift 古川 日出男
集英社 2004-10
http://tinyurl.com/8jekl

不思議な短編集だ。
むしろ掌編小説集に近い。

短いストーリーの中に、不気味な話、ファンタジー系の話などをおりまぜている。
急に話が展開することがあるのも、短編の特徴かもしれない。

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by moon99999 | 2005-08-16 00:03 | 文学系

ラスト・シネマ

4334924336ラスト シネマ 辻内 智貴
光文社 2004-05-20


思い出の夏。そのときのことを一生忘れないような季節。
そんなときが、誰にでもあるだろう。

この小説は、その、忘れえぬ夏の思い出のことを語っている。
恋愛ではない。

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by moon99999 | 2005-08-11 13:22 | 文学系

古道具 中野商店

410441204X古道具 中野商店    川上 弘美
新潮社 2005-04-01

http://tinyurl.com/c6hr4


中野商店、というのは中野さんのお店だ。
このお店は、古道具屋であって、骨董屋ではない。
そんなに価値がなくても、なぜか愛される、買ってもらえるような古道具を並べている。

ここでは、流れる時間だってゆっくりだ。

店主の中野さんは、鷹揚で、のんびりしている。でも女性にはなぜかもてるみたいだ。
ヒトミさん(「わたし」)は普通にバイトをしている。
そしてもう一人のバイト、タケオとともに働いている。
ときどき中野さんの姉のマサヨさんがやってきたり、中野さんの「彼女」がやってくることもある。(中野さんには奥さんもいるらしい。登場はしないのだが・・・)

基本的に、古道具屋に来る人たち、というのは世間の忙しい時間とは少し違う時間を生きているような人たちだ。

だが、悪人はいない。
というか、この本には、悪い人は、直接はまったく出てこないのだ。

中野商店にはいろいろながらくたが持ち込まれる。時には高価なものも。だがたいていいわく付ではある。
あるいは、まったく価値がつかないであろうようなものも。

わたし、はなぜかタケオが気になる。 でも、本当に好きなのかどうかだってわからない。
タケオがどう考えているのかも。距離をとる方法がわからずに不器用に悩んでいる。

中野さんは商売っ気はそれほどない。
お店は細々と続いているのだ。
そして、流れる時間もゆったりしている。

だが、その中で、人は、確実に変わっていく。
過去は過去のものとなっていく。
そして思い出に。

悠久の時が流れるような中野商店にも、変化はあるのだ。そしてそこで働く人たちにも・・・。

静かに時がながれる中野商店、あなたもぜひたずねて見てください。

お勧め度:☆☆☆☆1/2 ゆったりした時間の流れを味わってください。
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by moon99999 | 2005-07-31 18:26 | 文学系

ナ・バ・テア

4120035417ナ・バ・テア 森 博嗣
中央公論新社 2004-06

http://tinyurl.com/8znpa

クサナギは空が好きだ。
空を飛ぶのが好きだ。
クサナギは飛行機のりなのだ。

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by moon99999 | 2005-07-02 13:27 | 文学系

カギ

4087746976カギ 清水 博子
集英社 2005-04

http://tinyurl.com/cd9ms


日記だけでつづられる一年の話だ。
漢字の日付と数字の日付。
これが何を意味するのかは、最初は戸惑う。が、数日たったところでわかる。これは、姉妹なのだ。
姉は未亡人で大きなマンションにひとり暮らし。妹はファッション好き、ミーハー系で、損害保険会社のサラリーマンの妻。

姉はしっかりしている一方、妹は家事とかまともにできない。
妹ができちゃった結婚をする、というときに姉は妹の子どもをひきとることになっていた。

しかし姉の夫は死んでしまい、妹の子どもは、姉妹の両親に預けられる。

こういった変わった姉妹の話がたんたんと続いていく。

姉は冷静沈着。妹は浪費家で見栄っ張り。

だが、それはだんだん違ってくる。
妹は日記を公開している。
姉の日記を公開していない。
姉は、妹の日記を読んで、感想を書いている。だがその日記はPCの中だけで、公開されていないので、だれも読まない・・・はずだった。

その日、以降の数日に何が起こったのか。
日記からは想像するしかない。特に、姉の日記だけのとき、妹の日記だけのときもある。

そのときには想像以上のことが起こっているのかもしれないのだ。

妹のしたたかさが、だんだんわかってくる。
そして、妹の夫、木村くんの存在も不思議だ。 彼は何を考えているのか。

だが姉にだけ感情移入するわけにもいかない。
姉は姉で問題を抱えているからだ。 

お金さえ、資産さえあれば幸せになれる、わけではない。
それが伝わってくる。

この覗き見日記は、一年きっかりで終わる。
この一年のことだけが記される。
何が起こったのか。
そして、何がおこらかなったのか。

あとは想像するしかない。

不思議な小説だ、と言えるだろう。

お勧め度:☆☆☆1/2 このスタイルになじめれば面白いです。
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by moon99999 | 2005-06-26 20:52 | 文学系

幸福を売る男

4048735659幸福を売る男 藤田 宜永
角川書店 2005-04-25

http://tinyurl.com/7vv87


いま、書いたものが消えてしまってショックだ・・・

まあ気を取り直して書いてみよう。



長年連れ添った妻から離婚を言われた。
長年働いた会社からリストラされた。
再出発でひとりで暮らし始めた。

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by moon99999 | 2005-06-26 20:39 | 文学系

人のセックスを笑うな

4309016847人のセックスを笑うな 山崎 ナオコーラ
河出書房新社 2004-11-20

http://tinyurl.com/9b7kl


芥川賞にもノミネートされていたので、注目していた。
この人の作品を読むのは初めてだ。

短い、そして(陳腐な言い方だが)みずみずしい感性が伝わってくる。

これは、「オレ」が美大の講師のユリと恋に落ちて、過ごした時間のことを回想する話になっている。
彼女とのセックスは普通だ。

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by moon99999 | 2005-06-14 23:33 | 文学系

村田エフェンディ滞土録

4048735136村田エフェンディ滞土録 梨木 香歩
角川書店 2004-04-27

http://tinyurl.com/7afs8


先日の「家守綺譚」にちょっと出てきた、土耳古(トルコ)に行っている友人、村田を主人公にした作品だ。
舞台は第一次大戦直前だ。
主人公の村田は、トルコに考古学の留学をしている。場所はスタンブール(イスタンブール)だ。
イギリス人の女性のやる下宿に住んでいる。同じ下宿には、言葉をしゃべるオウムとギリシャ人のディミトリオス、ドイツ人のオットーなどが住んでいる。

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by moon99999 | 2005-06-12 17:44 | 文学系

僕たちの戦争

4575235016僕たちの戦争 荻原 浩
双葉社 2004-08
http://tinyurl.com/bfu39


また荻原浩か、と言われそうだが・・・
まただ。

健太は、サーフィンで大波に飲まれて、そして気づいた。
彼がめざめたのは、昭和19年だった。彼はなぜか、石庭吾一という名前の軍人になっていたのだ。

とんちんかんな受け答えをしつつ、彼はだんだん理解していく。自分はタイムスリップしてしまったことを。
吾一は飛行機の訓練中に海に落ちたのだ。 そして、911の衝撃のせいか、健太が海にのまれたときに、なぜか人格が入れ替わってしまったのだ・・。

一方、吾一

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by moon99999 | 2005-06-10 20:28 | 文学系