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by moon99999
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カテゴリ:癒し系( 5 )

約束  石田衣良

約束石田 衣良
角川書店 2004-07-27
http://tinyurl.com/5px85


石田衣良は女性に人気が高い。その外見も理由だろうし、書くものも女性受けするものが多いだろう。
ただ、どちらかというと池袋ウェストゲートパーク、とかアキハバラ@Deepなどのように、アクションものが多いのかな、と思っていた。

それなのに、この本を読んでイメージがずいぶん変わった。

・・・泣かせる物語を書くんだ、と。

この本は短編集だ。
必ずしも恋愛が出てくるとは限らない。
ただし、皆、通常の「普通」の人たちが持たない何かを背負わされている。
そして、どうやって元に戻っていくのか、ということを描いた作品集だ。

表題の「約束」
小学生の話だ。親友が、狂った男に、ナイフで刺されて死んでしまった。しかも、犯人が襲い掛かってきたときに、彼をつきとばしてかばってくれたのだ。彼は自分の身代わりになって死んでしまったと思い込む。 自分を責めても友人は還って来ない。
そして彼は精神を病んでしまう。
彼がどう立ち直るのか。 何が彼を立ち直らせるのか。


この短編集の中には、超常現象というか、理窟では説明しきれないファクターがはいった作品がいくつかある。
しかし、それはとても自然なかたちで出てくる。
そして、それによって、登場人物は救われていくのだ。

約束、では死んだ友人からの呼びかけがある。 事件当時のおそらく真実を友人は教えてくれる。そして、彼に生きろ、と言う。彼の目を通して世の中をみることができるから、と。

他にも、心因性の病気を救う電話の話とか、孫を救う石の話とか、珠玉の作品がおさめられている。


私は涙もろい人間だ。

実はこの本を読んで、何度も涙ぐんでしまった。
彼がこんな感傷的な本を書くとは・・・驚きでもある。

あとがきで、石田衣良は自ら告白している。自分でも何度も泣いた、と。
作者が自分の作品で泣く、というのが本当にあるのか、それとも単なるマーケティングの一方策なのかはわからない。
ただし、感受性の強い読者は、十分に泣くことができるだろう。

しかも、どの作品も、ある程度のハッピーエンドであることも、涙によるカタルシスをより強化させているといえる。

ある程度の、と言ったのは、完全な幸福などこの世には存在しないからだ。
だが、それは小説だけではない。
リアル・ワールドでも、人々は幸福なイベントと不幸なイベント、環境に囲まれつつ、生きていくのだ。


お勧め度:☆☆☆☆1/2 きっと、泣けます。




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by moon99999 | 2005-03-06 00:40 | 癒し系
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さてこの本だが、今日丸善で糸井重里が来てプロモーションをやる、というので仕事をちょっと抜けて行ってきた。
本を買って並んでいるとき、糸井の犬、ブイヨン(ニコ)がゲストで来たので、その写真も携帯で撮った。携帯の画質が悪いのでうまくうつってないが、この頭のぶちは、まさしくニコだ。

並んでいると、カップル以外はほとんど女性のようだった。10人に1人ぐらいが男性か、という感じだ。
で、糸井重里に「女性ばっかりですね」といったら、「いいんです、僕女性しか見て無いですから」と言っていた(笑)。でも、その際に、スタッフの女性が、「でも今日は男性多いですよ。すごく。」と言っていた。前回(渋谷文教堂かな?)では、女性ばっかりだった、ということなので。

ビジネス街だから男性が多いということなんだろうか。まあその中では実際この写真集を買う人は少ないだろうけど・・・

前に渋谷のブックファーストで、「インターネット的」という本のサイン会をやっていたことがあり、そこでも私は買った。そのときには、並んでいるのは男性も多かった。半々くらいじゃなかったかな。

それはそれとして。
家にこの本、二冊になってしまった(^^;)。
一冊は知人にでもプレゼントしようと思っている。

それともスタンプつきだから、ってネットオークションにでも出すかな(笑) なんてね。
でもそれは糸井重里も嫌がることだろうから(この前のサイトでもそう書いていたし)、、そんなことはするつもりはない。

しおりに押してくれるスタンプがルーシー、ニコ、サンコ、ヨンコのがあったので、どれにしますか、と聞かれる。「せっかく来ているから、両方ニコちゃん」といったら、「男のひとがニコちゃん、って言うのもなかなか嬉しいですねえ」というようなことを言われてしまった・・・

ま、いいか。

これできっと、覚えてるだろう。ほぼ日にメールでも出そうかな。


このブログでの本の紹介
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by moon99999 | 2004-12-15 00:16 | 癒し系
Say Hello! あのこによろしく。 イワサキユキオ (著), 糸井 重里 (編集) 2004年12月

http://qrl.jp/?155042


これは、革命的な本だ。
なぜか? 一つのインターネットサイトだけで、何と一万部も予約販売された本なのだ。
サイトは、「ほぼ日刊イトイ新聞」(http://1101.com)。

ジャックラッセルテリアの家族の成長をつづった写真と小文が並んでいる。
写真集、といってしまえばそれまでなのだが、とにかくこの犬たちの成長をみてほしい。私はサイトでずっと見続けてきた。
母犬のルーシー。そして娘たち。ニコ・サンコ・ヨンコという名前(みもふたも無いが)。
その3匹の成長を見てほしい。そして、母親ルーシーの母ぶりも。
信じられないかもしれないが、「泣ける」。
家族の絆、愛、が感じられるからだ。
この写真集は、単純な犬の写真集として見る、だけではない。
生まれてからこうやって成長していったんだ、という感じで見ていくと、自然と自分の家族のことなどが思い出されるのだ。
うちの子にもあんなことがあったな、とか小さいころお母さんがこんなことしてくれたな、などと、ゆっくり読んでいくと、暖かく切ない感情があふれ出してくる。
一ページ一ページ、ゆっくり見てほしい。
小さい本なので、持ち運びも簡単だ。 そのためにわざわざCDサイズという変則版になっている。

ただ、この本はどこでも売っているわけではない。アマゾンでは売っているが、普通の本の流通ルートではなく、本屋が希望した場合だけ、売っているのだ。売る際にはポスターとかもらえるのだろうが、とにかく共感して、それなりの扱いをされる本屋でしか売らないという。ただの犬の写真集、として他と一緒に扱われたくない、ということがあるからだ。

写真を撮ったルーシーパパの愛情はすごいと思う。
実はジャックラッセルテリアというのは「天使の皮をかぶった悪魔」といわれるような犬で、うごきがすごく早い。簡単にはあんな写真は撮れないはずだ。それが撮れた、というのは犬とルーシーパパの間の信頼関係がしっかりできあがっていること、そしてシャッターチャンスを逃さないようにずっとカメラを向けている愛情と根性(笑)があった、としか考えられない。

ニコ、はその後ブイヨン、と名前を変えて、糸井重里・樋口可奈子夫妻の愛犬となった、ということも付け加えておこう。

ブイヨンは、先日渋谷の文教堂書店でのイベントに、ゲストとして糸井重里と一緒に来たそうだ。当然、飼い主よりも人気があった、ということだ。

この本がサイトで売れた、というのを、糸井重里のあざとさ、というのは簡単なことだ。しかし、犬好きであれば、それ以上のものがあるであろう、ということがわかると思う。

この本を買う人は、一度に数冊買うことが多かったようだ。サイトでは、何と4人に1人が複数買いをしている。自分用とプレゼント用に。
見た人、味わった人の満足度は高いという。 
確かめたい人は、ほぼ日のサイト
を見てみるといいかもしれない。「メール特集」にたくさんの感想が出ている。

自分でゆっくり見るのも、クリスマスプレゼントにもお勧めといえるだろう。

(内容はある程度サイトでも見られます。でも、これは持っていたい!)

お勧め度:☆☆☆☆☆  写真集で泣けるはずはない・・・
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by moon99999 | 2004-12-11 09:53 | 癒し系

おかめなふたり

おかめなふたり
群ようこ 
 
幻冬舎文庫 (2004/08) http://qrl.jp/?155060
ハードカバー http://qrl.jp/?144584

世の中の人は犬好きと猫好きに別れるという。もちろん両方飼っている人もいるんだが、それでもどちらをより好むという個性は出る。
これは、猫好きの作者が、「しーちゃん」という子猫を拾ってきたことから始まるどたばた猫エッセイだ。
「しーちゃん」というのは、彼女のところへよく遊びにくる猫が「ビーちゃん」だったからという非常に安易な決め方だった。その「しーちゃん」に振り回される様子がいろいろ書かれている。だが、猫が好き、であればいろいろなことは結局許してしまうのだ。
「おかめなふたり」というのは、しーちゃんの顔の模様が、まるでおかめのようだというところから来ている。もう一人はもちろん彼女自身。 「別人「群ようこ」のできるまで」などに、彼女は自分で自分の顔をおかめとか化粧したら俄(にわか)だとか言っていた。

猫の可愛さに篭絡されるのは、人間だれでも、という感じだ。
女流作家などはとくにそうかもしれない。
新井素子もそうだし、かわったところでは、西原理恵子でさえ、そうだった。
サイバラはいまは離婚後の子育てだけでも大変だが・・・彼女の「どばくちさいゆうき」には、彼女が貧乏だった頃の飼い猫、「こぷる」の話が出ている。 原稿をやぶっても怒らない、という、今の彼女の芸風(笑)からは考えられないことが書かれている・・・

おっと、群ようこだった。
彼女は独身だ。 自分ひとりで住んでいたが、しーちゃんを拾ったため、二人で住むこととなった。
このしーちゃんのやんちゃぶりには驚かされる。 走り回る、飛ぶ、あちこちで爪をとぐ、高級なスーツを破いてしまう、高級寝具は自分のものにする・・・
だが筆者は「しょうがない」と半分あきらめモードで、その世話をする。
可愛いから、そのほかのことは許してしまう、ということになる。

似たような関係の相手として、彼女の母親がいる。
群ようこの離婚している。 そのため母は頑張って彼女を育ててきた。結果、彼女が作家としてひとりだちしてからは、彼女に寄生しているのだ。 家を建てさせ、旅行代を出させ、服をかわせる・・・かなりすごい話が本編、それから他のエッセイ(たとえば「ヒヨコの猫またぎ」など)で聞かれる。
彼女は「しょうがない」とぶつぶつ言いながらも、結局は言うことを聞いている。
優しい性格なのか、それともあきらめがいいのか・・・きっと両方なのだろう。

猫好きの人は、これを見て、うんうん、こういうこと、あるある、などといいつつ、最後に一言「でも、うちのXXXちゃん(飼い猫の名前)のほうがその十倍もかわいい」などと言うのだ。

間違いない!(笑)

お勧め度:☆☆☆★★ 猫好きにとくに。

追記:
ちなみに私が読んだのは角川春樹事務所の「ランティエ叢書版」なのだが、これはアマゾンでは扱っていないし、角川春樹事務所でも絶版のようで、取り扱われていない。その後幻冬舎に版権が移ったのかもしれない。
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by moon99999 | 2004-12-05 23:51 | 癒し系

間宮兄弟


間宮兄弟 江國香織

江國香織といえば恋愛小説(とくに不倫など)と相場が決まっているか、と思ったらあなどれない。
これは、非恋愛小説というべきか。
恋愛の対象としては「ありえない」兄弟を描いたものだ。

兄弟は仲がよく、30代独身で一緒に住んでいる。彼女いない歴=年齢、というわかりやすい形。
この二人はビデオ屋の姉ちゃんや人妻などに片思いするが・・・

恋愛の対象としてはありえないが、友達としてはあり、なのかもしれない。
この2人が、人生を楽しんでいるのが救いだ。

ただし内容は「電車男」とは対照的かもしれない。
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by moon99999 | 2004-11-14 01:19 | 癒し系