読んだ本について感想を述べたり述べなかったり・・・書評・コネタ連動メルマガも登録宜しくお願いします。 「濫読ひで」より


by moon99999
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文芸春秋

文藝春秋
文藝春秋社 毎月10日発売 月刊

週刊のものとちがい、とても硬派で読み応えのある雑誌だ。経済記事にも定評があるし、政治に関しても一本スジが通っている。
体制におもねることなく、またただ批判するだけの平和ボケ記事もない。かなり地に足がついた議論が展開されルことが多い。
「蹴りたい背中」「蛇にピアス」「介護入門」など芥川賞の受賞作が(ほぼ)全文掲載される。号によりばらつきがあるのは事実ではあるが、買って損はない雑誌である。

ちなみに12月号は
日本経済の救世主か、「反日」の巨人か 大会議 中国爆発
「たかが選手」発言と一場事件の真相 “世紀の悪者”にも言わせてくれ  プロ野球ストの争点を衝く 渡邉恒雄
◎残された夫は今── 愛する妻をがんで喪くして
永六輔/田原総一朗

などが載っている。ナベツネの記事はとくに面白い。それなりにスジが通っている。もちろん独善もあるので、それを見極めるのが読者の腕、ということになる。
朝日新聞の読者には、バランスを取るために特にお勧めする。

定期購読はこちら
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by moon99999 | 2004-11-30 00:51 | 雑誌

本の雑誌

本の雑誌
本の雑誌社 月刊

サイトはこちらhttp://www.webdokusho.com/
定期購読はこちらhttp://qrl.jp/?140465

すべては、目黒考ニ氏の読書感想コピーからはじまった・・・。
北上次郎(目黒氏の別名)、椎名誠、沢野ひとし、群ようこらが作り上げたこの雑誌は、いまでも仲良し倶楽部風に作られている。もちろんそれよりは組織的になっているし、「炎の営業日誌」を書く営業一名とかいろいろな人たちに支えられているわけだが・・・

各種の「新刊めったくたガイド」はいろいろな人がそれぞれカバーしていて興味深い。
ただ問題は、紹介された本を全部なんてとても読めないことだ・・・当たり前なのだが。
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by moon99999 | 2004-11-30 00:43 | 雑誌
日本一の昆虫屋 志賀昆虫普及社と歩んだ百一歳 志賀 卯助
文春文庫PLUS 2004/8


子供のころ、昆虫採集に夢中になったことがある男性は多いと思う。
女性の場合はそうでもないかもしれないが、虫にはこどもをとりこにする何かがある。
今は「ムシキング」というゲームが子供たちの間ではやっているという。

この本は、日本一の昆虫屋と自称する志賀氏が自分の一生をつづったものだ。
戦前に昆虫採集の材料を扱う会社に丁稚に入り、その後独立。戦後また昆虫の道に戻り、ずっといままで続けてきている。
今年101歳になったところでこの本が文庫化された。
まだ時々店にも出ているそうだ。

この本には蝶の採り方とかも書いてあるし、標本の作り方も出ている。 虫が好きな人は、見ているだけでも楽しいだろうと思う。

うちには、志賀さんがデザインした捕虫網がある。銀色のバトンのようなものだ。ところがそれが伸び、そして中にある網がぱっと広がると、いっぱしの虫取り網に変身するのだ。まるで魔法のようだ。 これは見てみないとぴんとこないかもしれない。 最初はこれが虫取り網とは信じられないくらいだ。 大きさはまあ、小学校の「縦笛」くらいだと思えばいい。

どうやら北杜夫の「どくとるマンボウ昆虫記」にも出ているようだ。私はあの本を読んだのはもうずいぶん前なので覚えていないのだが・・・

お勧め度:☆☆☆☆★ (虫が好きな人はぜひ買いましょう)

追伸;昆虫好きには、こんな雑誌もあります;「昆虫フィールド」(http://qrl.jp/?155177)
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by moon99999 | 2004-11-28 12:49 | ドキュメンタリー

Cの福音

Cの福音
楡 周平 (1998/07)
http://qrl.jp/?151108 ハードカバー
http://qrl.jp/?142362 文庫

楡周平のデビューを飾った、衝撃的な作品。
単純にピカレスク(悪漢小説)といってしまうわけにはいかない。
主人公朝倉恭介は、悲劇のスーパーヒーローだ。
飛行機事故で両親を失い、アメリカのマフィアの庇護のもとで成人した彼は、自らの頭脳を駆使して、国際的なビジネスを展開する。だがそれは麻薬ビジネスだった・・・

とにかく恭介がカッコイイ。そういう単純な話ではないのだが、ピカレスクというよりは単に冒険小説、という感じに近いかもしれない。むろん麻薬で儲ける悪人なのだが、この作品を読んでいる限りはそういう感じはあまりせず、むしろ恭介の行動にどきどきはらはらし、共感もする。
もちろん細かいところにミスや問題などもあるが、そういうことを気にせずにわくわくしながら読むのが正しい読み方だ。

これはその後シリーズものになった。そのうちとりあげるつもりだ。私は彼の全作品を読んでいる。その中でもこれはお勧めといえるだろう。
ちなみに、シリーズの「クーデター」(http://qrl.jp/?160612)を読んだ後で「朝倉恭介―Cの福音・完結篇」(http://qrl.jp/?137516)を読むとまた少し違う部分も出てくるかもしれない。
だがこの作品と「猛禽の宴」(http://qrl.jp/?151056)に出てくる恭介は文句なくヒーローだ。

この作品と、「青狼記」(http://qrl.jp/?154324)は彼の二大傑作と言えるだろう。(後者は不評でもあるが・・・)

駄作は・・・まあ今はいいか(笑)

お勧め度:☆☆☆☆☆ ヒーローにわくわくしたい人は是非!
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by moon99999 | 2004-11-28 01:17 | エンターテインメント系

虚貌

虚貌
雫井 脩介 (著)
2001/9 幻冬舎 
http://qrl.jp/?141213 単行本
http://qrl.jp/?148531 文庫本(上) http://qrl.jp/?159755 (下)

「栄光一途」に次ぐ、著者の第二作。

さて最初にお断りしておくことがある。
アマゾンにリンクを張っているのだが、文庫本のほうのリンクはクリックしないほうがいい。というか、書評は読まないほうがいい。
少し話がそれるが、以下こういうことだ。
アマゾンは書評を読者が書ける。それ自体は悪いことではないと思うし、批判だってあってもいい。ただしそこにはルールがあると思うのだ。
推理小説の場合に、使われたトリックについて書評でネタバラシをするべきではないと思う。
たとえ、それが自分にとって納得できないものであろうとも、それは他の読者が判断すべきであって、他の読者に対してトリックを知らせる、ということがあるべきではないと思う。
感想を述べるだけであっても、ネタバレあり、ということを記したうえで読まない選択肢を与えるのは最低限必要だと思う。

閑話休題。
人間は誰でも顔に対して、何らかのこだわりを持っている。
美人、美男であれそうでない人であれ。
顔にあざややけどのあとがある場合などはなおさらだろう。
タレントは顔が命、ということもある。

この物語は、ある小心者が、仕事のミスで首になったために経営者に対して仲間と復讐を起こすところから始まる。
そして彼は従犯であったにもかかわらず他の連中に主犯にまつりあげられた。
長い懲役を終え、出てきた彼は復讐を誓う・・・
と、彼が主人公だと信じると今度は違う人間の視点から物語が始まる。
視点を変え、物語は続く。そのなかで次々に犠牲者が出てくる・・・

アマゾンのネタバレがなくても、ある程度のところで推測がつく部分があるかもしれない。
登場人物の数が限られているから。
トリックには結構無理があると思う。それは確かだ。
(ただし、それをばらすつもりはない。)
また、ある男性の言動が、果たして本心からなのか、それとも演技なのか、も判然としなかった。
終わり方も納得がいかない部分が残る。もっとストレートな結末でも良かった。これはシリーズ物になるような話ではないからだ。

「栄光一途」よりは読みやすくなっているが、まだ消化不良のところはある。ただ、この作者はどんどんうまくなっているらしい(まだこの2作品しか読んでいないのでそれ以上はいえない)ので、作者の成長を見ていく、という上でも読んでいいのかもしれない。

単行本で1700円、文庫本二冊合計で1200円。それならハードカバーでもいいかもしれない。

お勧め度:☆☆☆★★  作者の成長を見ていきたい人はぜひ。
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by moon99999 | 2004-11-28 00:28 | 推理小説系

ともに彷徨いてあり

ともに彷徨いてあり―カヌー犬・ガクの生涯 野田 知佑 文芸春秋 2002/04
http://qrl.jp/?145259

椎名誠のエッセイを読んだことがあれば、カヌーイストの野田さんのことは知っているのではないか。もし彼のことがわからなくても、ガク、という犬のことは聞いたことがあるだろう。

ガクは野田さんの犬で、カヌーイストの彼について、アラスカを何度も旅した。
野田さんがいないときには、椎名誠が世話をしていた。「岳物語」(http://qrl.jp/?136395 )の息子、岳から名前をとった犬なのだ。(ひと岳、犬ガクと呼ばれた)

この本は、野田氏がガクについて語ったエッセイ集だ。ガクに限って集めてあるのは珍しい。
人とイヌとのかかわりあい、信頼関係について、考えさせられる。

ガクが死んだ後、ガクの毛皮はチョッキになって、野田さんとともにある。これを皆さんはどう思うのだろうか。


写真が大部分の「さらば、ガク」(http://qrl.jp/?155407)もいい。実父(野田)、養父(椎名)対談や、ガクの年表なども載っている。あわせて読むと、また感慨があるだろう。特に文庫版では186-187ページの見開きのガクの写真はとても凛々しい。写真集なので、 ハードカバー(http://qrl.jp/?157547 )のほうが、保存版としてはいいのだろうが・・・


お勧め度: ☆☆☆☆☆ 犬好きとアウトドア派のかたに特にお勧めといえる。
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by moon99999 | 2004-11-23 21:28 | エッセイ
食う寝る坐る 永平寺修行記
野々村 馨 新潮文庫 2001年 
http://qrl.jp/?140335

永平寺、といえば道元が開いた曹洞宗の総本山だ。
平凡な勤め人だった筆者(独身)が、人生に疲れたことなどから、出家して永平寺で修行した、一年間の生活を振り返ったもの。

それこそ「東司」とか「応量器」などといわれても、普通の人間にはわからないだろう。
新しい世界での新しい言葉、しきたりなどに戸惑いつつ、座り続けることにより見えてくるものが確かにあるようだ。

ストイックな世界に過ごして、初めてわかること。
人びとの厳しさ、優しさも見えてくるかもしれない。

そして、ラストシーンの「僕はその時、初めて春が春であることの意味を知った」という一文にはじーんときてしまった。
私が海外に長くいて、日本の桜を見たときのことを思い出したからなのかもしれない。

悩めるビジネスマンの息抜きにおすすめ、かもしれない。
ただし出家の相談には乗れません(笑)

お勧め度: ☆☆☆☆★
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by moon99999 | 2004-11-23 15:33 | ドキュメンタリー

みんな誰かを殺したい

みんな誰かを殺したい射逆 裕二 角川書店 2004年
http://qrl.jp/?138643

殺人事件の目撃で、物語は始まる。
そして、話が進めば進むほど混乱が深まる。殺したのは誰か、殺されたのは誰か、タイトルどおり、「みんな誰かを殺したい」のだが・・・。 単純な交換殺人ものかと思いきや、もっと話は複雑にからみあう。 
話を持ちかけた者が自首すれば終わる、というものではない。
誰が誰を殺したかったのか?そして誰を殺したのか、最後まで話はもつれていく。


横溝正史ミステリ大賞優秀賞だそうだが、必ずしも大賞でなかった理由もわかるような気もする。
テンポはいいが、どんでん返しがありすぎて、ストーリーを追うのがやっとになり、あまり考える余裕がなかった。
ただ、じっくりと読み込めばそれなりに考える点がありそうだ。

深く考えずに読み進む人には、逆におすすめかもしれない。

お勧め度:☆☆☆★★ ミステリー好きにはいいかも。
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by moon99999 | 2004-11-23 15:20 | 推理小説系

電子ブロック(番外編)

電子ブロック
拡張キット
http://qrl.jp/?136485
http://qrl.jp/?150970

完全な番外編だ。
子供のころ「科学と学習」を取っていた人たちもいるだろう。私も自分でとっていたし、娘が小学校のときには「学習」を取っていた(現代ではマンガが多くて驚いたのだが)。

大人向けに学研が、 「大人の科学」という優れものを出しているが、これはそのシリーズだ。

昔、子供たちの間でラジオを作るなどはやったことがある。
「3石」とか「5石」「5球スーパー」などがわかる人は、わかるのだが、興味ないひとには興味ないだろう。「石」はトランジスタ、「球」は真空管だ。

ただ、作るのは結構大変だった。電池のいらないゲルマニウムラジオにしてもはんだづけとかがめんどくさかった。

それを解決したのが、「電子ブロック」とあと「マイキット」だった。電子ブロックは、個別の部品が透明のブロックに入っている。これをならべかえることで回路を作る。マイキットは、部品がボードにくみこまれていて、そこにばねがついている。そのばねに線をはさむことで、回路を作るものだ。

その電子ブロックが「大人の科学」で復刻されているのだ。
たくさんのものを作ることができ、壊すのも簡単だ。
私はゲルマニウムラジオもこれで作った。 電池がいらないのにラジオが聞ける。それはその当時驚きだった。

少しは違いがあるが、だいたい昔と同じような形になっている。

電気が好きな人、ラジオを組み立てたいけど面倒だと思う人など、これはお勧めだ。
おもちゃと馬鹿にするなかれ。こういうもので遊ぶことで、将来の技術者になった人たちだってたくさんいるはずなのだ。

ちょっと高いから、大人のクリスマスプレゼントなのかもしれない。
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by moon99999 | 2004-11-23 12:17 | その他
ファースト・プライオリティ 山本文緒  2002年 幻冬舎


「プラナリア」で直木賞をとっている山本文緒の短編集。
31歳の、31通りの最優先事項、というものだ。


山本文緒は、毒のあるものを書く。

女性だが、彼女は女性への描写に関してまったく容赦がない。
女性の嫌な面をとことんまで抉り出す。
中途半端な気持ちをそのまま描く。

彼女の書く女性の大部分は、欠点だらけだ。
魅力がある女性も、ない女性もいる。

そして登場人物に愛情を与えているなら救われるが、あまり救われない作品も多い。
ハッピーエンドとも限らない。

むろん男にも容赦ない。
体を目当ての男や金目当ての男への描写も容赦ない。

人間欠点だらけだ、ということをさらけだしてしまうのだ。

ただ、登場人物に、何かしら読者は共感をおぼえてしまうだろう。
自分とそっくり。あるいは、自分とは正反対でうらやましい。
時には、自分と正反対で嫌な奴だ。
などと。

それは、彼女が、自分の目線からあまり離れないところでの描写を心がけているからだろう。

OL生活。結婚共働きすれちがい生活。 主婦作家生活。 離婚後の生活。いろいろな経験がそれぞれ生きている。

彼女の別のエッセイ「そして私は一人になった」(http://qrl.jp/?136380)などを見ると、その状況がかなり垣間見えるともいえる。


他の短編は雑誌掲載だが、最終話は書き下ろし。彼女自身のエッセイとも読めるし小説とも読める。まあ私小説と思うのがよいのだろう。

あと、ひとつだけ、読者からの手紙形式がある。これがもし実在のファンをモデルにしているのなら、彼女はかなり人が悪いといえる。
そのファンレターを公開することを通して、身勝手なファンがいる、ということを世にさらしてしまうようなものだからだ・・・
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by moon99999 | 2004-11-21 23:37 | 文学系