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by moon99999
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歴史コミック

このブログでコミック(平たく言えばマンガ)を紹介するのはどうかと思っていたが・・・

コミックとしてはいろいろ世に出ているものは多く、それを今更とりあげても、と思うこともある。
だからこそ、ここではできるだけマイナーな、しかし紹介したいものを選ぶことにする。

それの第一弾だ。
前に、「手抜きと夢オチ」で書いた。

「ラサール石井、米沢嘉博、高島俊男、夢枕獏、松尾貴史、田中芳樹、夏目房之介、小松左京、泉谷しげる、呉智英、庵野秀明、三谷幸喜、富野由悠季、そして糸井重里などが声をそろえて絶賛するコミックだ!」

そして実はこう言われている。

「NHKは なぜ これを 大河ドラマにしないのだ」 夢枕獏

ここまでのことを言われている。そのコミックとは・・・



風雲児たち  みなもと太郎著
である。

これはまぎれもない作者のライフワークだ。
みなもと太郎、という名前を知っている人も少ないだろうし、「ホモホモ7」というのを若い人が知っているはずもない。

だが、これは大河マンガだ。幕末のことを書くために、なんと関が原から書き起こしている。そして、書き始めからすでに24年が経過している。

・・・まだ完結していないのだ。

この本は数奇な運命をたどり、あちこちで連載を続けている。 いまは「コミック乱」(知らないよな~(笑))

私はクリスマスに「自分へのプレゼント」として、これの20巻セットを購入した。
もちろんこれはまだ完結していないが、とりあえず今手に入る、過去まで網羅したのはこれなのだ。
これにくわえて、ネットや、運がよければ本屋で「幕末編」1-5が入手できる。

この本は、2004年の、第8回手塚治虫文化賞「特別賞」を受賞している。

このマンガを読んで思うこと。
歴史は、多くの人びとによって作られる。

歴史上の人物は多い。功績も多い。だが、それだけではない。名も無い民草まで含めて多くの人びとが歴史を作り上げるのだ。

たとえば3巻・4巻に、薩摩による濃尾平野の治水工事がある。
薩摩の勢力をそぐために、幕府が薩摩に命じて行わせた壮絶な護岸工事だ。

荒れ狂う自然。夜中に幕府側が工事部分を壊しにかかるという恐ろしさ。
そして薩摩の人々は壮絶な工事を続ける。

幕府側からの諫死者も続出したほどの難工事と理不尽な仕打ち。

こういうことをするから、薩摩の幕府への恨みは進む。かくして幕末における薩摩の活躍の遠因となるのであった。

基本的にはギャグマンガだが(ワイド版には、最後に古いギャグなどの解説まで含めた「ギャグ注」が出ている)、全体として大きな流れを描いている。
壮大なストーリーマンガと言っても過言ではない。ギャグとロマンが同居した、壮大な大河マンガなのだから。

このマンガは、もっともっと評価されるべきだ。

出版社直のワイド版20冊セット
http://www.leed.co.jp/ここで「風雲児たち」で検索
Gooでのワイド版
http://shop.goo.ne.jp/store/leed/gds/00006/
入手可能なもの
http://qrl.jp/?161065

お勧め度: ☆☆☆☆☆  古本でいいから、2冊読んでみてください。きっと全部読みたくなります。
by moon99999 | 2005-01-16 11:48 | コミック