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読んだ本について感想を述べたり述べなかったり・・・書評・コネタ連動メルマガも登録宜しくお願いします。 「濫読ひで」より


by moon99999
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世界の中心で、愛をさけぶ

世界の中心で、愛をさけぶ  片山恭一著
小学館 (2001/03)
http://qrl.jp/?165519

読む前の感想(というか先入観) どうせ死んじゃう話なんだからお涙ちょうだいで、女性受けをねらってるだけだろう・・・
読後の感想 うーむ、評価は分かれそうだが私は好きだ。
と、月並みな感想から始まる。

アマゾンの書評はすごい件数。しかも賛否両論まっぷたつ。ただし否定のほうが多い。
金返せ、とかいうのもある。その一方、TVみてこれ見てまた感動した、といううわべだけのものもある。





本を読んだときのおおよその目安として、「また読みたい本かどうか」というのがある。
もちろん本というものは何度でも繰り返して読むことが前提なのだが、この本についてはどうだろうか。
何度でも読める、何度でも泣ける・・・そういう本、だろうか?


私は非常に個人的にこの本が好きだ。
なぜか。

ストーリーが月並みなことはべつにいい。
それよりも、自分が読んでみて、ああ、こういう書き方をできるんだ、と思ったのが大きい。
村上春樹なのかフィッツジェラルドなのか、庄司薫なのか。それはまあどうでもいい。

若い人々のインターアクションをこうやって書くことができるんだ、というのが感想である。
それ以上はもっと極私的になるので省くが・・・

これを陳腐だ、とけなすことは簡単だ。
だが、作者がこれを、読者をだまそうと思って書いたわけではあるまい。

ある程度の実体験が入っているのかどうかはさておき、それだけではここまでかけないだろう。結局、実体験であったとしても、自分の中で一度昇華されてからでなければ、文章としてキレがいいものにはならないだろうから。

素直に読めばいい。好きか嫌いか、それも人そろぞれだろう。

結末が陳腐だというのはべつに言えばいい。
だが、そういう人は、きっと、桜の花吹雪を見ても、紙くずが飛んでいるのと同じような目でしかみられないのではないだろうか。
桜は人のこころを動かす。
花吹雪の中で、人は普段と違う感情を持ちうるのだ。

あのラスト・シーンは、彼が自らを解放するために、必要なことだったのだと私は感じた。

映画もDVDも見ていないわたしが言えることはシンプルだ。
「合う人には合うだろうし、つまらないと思えば陳腐でつまらない小説と言われるかもしれない。」と。

評価は自分で決めるものだ。 私は・・・この本は、他の人とは少し違う意味で、また読んでみる価値がある本だと思っている。

お勧め度: ☆☆☆1/2  万人受けするとは思えませんが・・・
by moon99999 | 2005-01-18 00:43 | 恋愛小説