放浪探偵と七つの殺人
2005年 02月 19日
放浪探偵と七つの殺人歌野 晶午
講談社 (2002/08)
http://tinyurl.com/3nfj7
短編集。
放浪探偵の信濃譲二が、彼のまわりに起きる殺人事件を解決していく話。
書かれた時期が別れているためか、彼のキャラクターにも微妙なぶれがある。
どうやら他の作品で登場している探偵らしいが私はこれで初めて彼を知った。
正直、信濃という探偵の性格は最初のころの話はあまり好きでなかった。
学生の下宿でおきた殺人の話(「有罪としての不在」)など、信濃という性格の問題だけでなく、作者のストーリーの構成にも問題があるからだ。
意地悪いストーリー構成になっている。
エラリイ・クイーンばりの「読者への挑戦」がついているのだが、解決編まで見ても解決していない。
だが、 「W=mgh」「阿闍梨天空死譚」あたりになると、信濃の性格が変わってくる。
最終話ではとくに信濃の性格がかなり改善されていると思える。
ミステリーとしては、かなり難度が高い話が多い。
最後までみないでトリックを解決できるなら、あなたはかなりのミステリー通だろう。
お勧め度:☆☆☆1/2 質にばらつきがあるのでこういう評価としました。
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by moon99999
| 2005-02-19 19:32
| 推理小説系