人気ブログランキング |

読んだ本について感想を述べたり述べなかったり・・・書評・コネタ連動メルマガも登録宜しくお願いします。 「濫読ひで」より


by moon99999
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

美亜へ贈る真珠 & 時尼に関する覚書

美亜へ贈る真珠―梶尾真治短篇傑作選 ロマンチック篇 梶尾 真治 (著)
ハヤカワ文庫JA 早川書房 2003-07
http://tinyurl.com/6lvre

時間にかかわる話として、2つの短編を勧めたい。
「美亜へ贈る真珠」と「時尼に関する覚書」だ。

カジシン、というのは遅筆のSF作家として一部で知られるのみであった。
彼がブレイクしたのは草彅剛の主演で映像化された「黄泉がえり」をもってしてだ。

だが、カジシンの作品は一部ではずっと絶賛されていた。その象徴が、「美亜へ贈る真珠」なのだ。
この作品は、多くのSFファン、SF作家によってたたえられてきたが、活字として本で読まれる機会が少なかったのだ。
その後、黄泉がえり、のヒットにより、カジシンがより有名になり、この短編集が出たということになる。
早川の文庫になっている。

私は、実は「美亜へ贈る真珠」よりも、「時尼に関する覚書」、のほうがもっと好きなのだが。


人間を未来に送るにはどうしたらいいか。
考え出された方法が、選ばれた人間を、時間の流れを変える機械のなかで生活させることだ。
つまりたとえば、外界で1年たつのに内部では1日。それなら、ずっと長い時間、生きていくことができる。
しかし、その方法には致命的な欠陥がある。未来へ行く人間は、過去には戻ってこられないのだ。美亜の恋人は、機械に入った。彼女は、彼の心の中を知りたかったが、知ることができなかった。そして彼女は、機械のそばでずっと過ごす。 そして、真実を知る・・・

どうやって知るのか、は読んでほしい。読んでみれば、ああ、聞かないでいてよかった、と
思えるだろう。


時尼に関する覚書。これは雑誌初出で私は読んでいる。
この作品こそ、私がずっと読み返したかったものだ。

少年は、ある日女性に逢う。そして、日記をつけるように言われる。
彼はすなおに、少しづつ日記をつけはじめる。
何年かごとに、少年は女性に会う。その女性は、時がたつごとに、変わっていくのだ・・・
彼女は、そときびと、だったのだ。

これ以上は、やはり読んでもらうしかない。

二作とも、読み終わると、胸が締め付けられるような、切ない思いがする。
SFという枠組みのなかで、時間を題材にしてつむいだ、愛についての作品だといえる。

お勧め度:☆☆☆☆1/2 SFに理解があって、 ロマンティックな気分に浸りたいかたは、ぜひ。




関連ブログ

by moon99999 | 2005-02-25 00:27 | SF