ブラフマンの埋葬
2005年 03月 11日
ブラフマンの埋葬 小川洋子
講談社 2004-04-13
http://tinyurl.com/3zf25
第32泉鏡花文学賞を受賞した作品だ。
小川洋子の作品といえば、最近では「博士の愛した数式」のような、読んでいてほのぼのするようなものを連想する。以前の「妊娠カレンダー」のような、人の悪さを感じさせるものではない。
作風がかわったのか、それともたまたまなのだろうか。
さてこの本のタイトルを見ても、何の本なのかまったくわからない。
ブラフマン、といえば一応、インドのバラモン教のバラモン(ブラーマン)のことなのだろう、と見当をつけてみる。
聖職者の埋葬にかかわる話なのだろうか?
読んでみたらまったく違う話であった。
ブラフマン、というのは語り手が飼っている「森の動物」の名前だ。
その動物が何なのか、さえ明らかにならない。
読み始めは猫なのかと思うが、「水かきがある」というので、猫ではないということだけがわかる。
登場人物のなかに、墓石を彫る男が出てくる。これでなんとなく、ストーリーが見えそうな気がした。
しかし、ストーリーは淡々とすすんでいくのみだ。
彼がひそかに思いをよせる売店の少女がいて、彼女には恋人がいる。
そして彼は彼女に、運転を教える。
彼が住む世界はいったいどんなところなのだろうか。森とはなんだろうか。
そういう話は、謎のままだ。設定も多くが語られない。
日々は淡々と過ぎていく。
クライマックスを迎えても、やはりストーリーは淡々としている。日々は静かにながれ、彼が涙を流しても、世はすべて事もなく進んでいく。
タイトルから連想されるイベントには、作者は意地悪な事件をからませている。
だが、それでも、時は淡々と流れているのだ。
不思議な作品だ。
お勧め度:☆☆☆ 1/2 設定について、もっと語って欲しかったと思います。
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講談社 2004-04-13
http://tinyurl.com/3zf25
第32泉鏡花文学賞を受賞した作品だ。
小川洋子の作品といえば、最近では「博士の愛した数式」のような、読んでいてほのぼのするようなものを連想する。以前の「妊娠カレンダー」のような、人の悪さを感じさせるものではない。
作風がかわったのか、それともたまたまなのだろうか。
さてこの本のタイトルを見ても、何の本なのかまったくわからない。
ブラフマン、といえば一応、インドのバラモン教のバラモン(ブラーマン)のことなのだろう、と見当をつけてみる。
聖職者の埋葬にかかわる話なのだろうか?
読んでみたらまったく違う話であった。
ブラフマン、というのは語り手が飼っている「森の動物」の名前だ。
その動物が何なのか、さえ明らかにならない。
読み始めは猫なのかと思うが、「水かきがある」というので、猫ではないということだけがわかる。
登場人物のなかに、墓石を彫る男が出てくる。これでなんとなく、ストーリーが見えそうな気がした。
しかし、ストーリーは淡々とすすんでいくのみだ。
彼がひそかに思いをよせる売店の少女がいて、彼女には恋人がいる。
そして彼は彼女に、運転を教える。
彼が住む世界はいったいどんなところなのだろうか。森とはなんだろうか。
そういう話は、謎のままだ。設定も多くが語られない。
日々は淡々と過ぎていく。
クライマックスを迎えても、やはりストーリーは淡々としている。日々は静かにながれ、彼が涙を流しても、世はすべて事もなく進んでいく。
タイトルから連想されるイベントには、作者は意地悪な事件をからませている。
だが、それでも、時は淡々と流れているのだ。
不思議な作品だ。
お勧め度:☆☆☆ 1/2 設定について、もっと語って欲しかったと思います。
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by moon99999
| 2005-03-11 00:25
| 文学系