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by moon99999
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走る!漫画家

4924718599走る!漫画家~漫画原稿流出事件 渡辺 やよい
創出版 2004-05-08
http://tinyurl.com/cey7q


18号
http://www.geocities.jp/hidebookjp/backnumber/18gouapr122005.txt
で紹介した「ザ・エージェント」でも少し名前を出した、漫画家渡辺やよいの本だ。





渡辺やよい、と言われても多くの人は知らないだろう。私も知らなかった。
彼女はレディースコミックを描く漫画家なのだ。
当然エロのシーンも沢山出てくる。
そういう漫画家なのだ。

ある日彼女は一通のメールを受け取った。彼女の生原稿がヤフオクで売られていると。
それは驚きだった。生原稿が流れる、というのは通常無いからだ。彼女はその原稿を売った覚えはまったく無い。
それは誰かが落札してしまった。そしてまた別の生原稿が出た。
彼女は、なんとかそれを落札し、出品者に連絡をとった。
そしてわかったのは、実はその原稿はまんだらけで売られていた、ということだった。

彼女はまんだらけに行った。すると沢山の原稿が売られていた。
何とそれは、つぶれた出版社の社長が持ち出して売ったものだった。
原稿は彼女の所有物であるはずだ。
そこで彼女はまんだらけに抗議する。
ところが彼女は自分を自分と証明できない。また、警察に被害届けを出されないと何もしない、というのだ。

一方警察はいくらやっても被害届けさえ受け取らない。
そして彼女は疲弊していく・・・。だがそこに、強力な援軍が現れて、その一方でいろいろな人々の思惑が錯綜して、彼女はますます大きな流れに取り込まれていく。


情緒的な部分が多いが、実際の彼女の苦労を考えると、それも当然だと思う。
この騒動は多くの教訓を残した。その多くはまだ解決されていない。

だが、こうやって、法的な部分を含めて多くのことが表に出て行くことによって、業界の近代化がなされるのだろう。
そして彼女の功績はいずれにしても大きい、といえる。
たとえそれが彼女のビジネスにはまったくつながらない、としても。


お勧め度: ☆☆☆☆

マンガ界の封建制度がよくわかります。




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by moon99999 | 2005-07-15 00:00 | エッセイ