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by moon99999
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2004年 11月 19日 ( 3 )

汀にて  王国記2

汀にて汀(みぎわ)にて  王国記2花村 萬月 2001年
http://qrl.jp/?141267

「ゲルマニウムの夜」から続く「王国記」シリーズ。
王国記の2巻ではあるが、 「ゲルマニウムの夜」を入れると3巻目。

王国記、ほど事前の予想を裏切られる小説は珍しいかもしれない。
むろん書評を読んでそれからトライする人にはその問題はないかもしれないが。

王国、といってもべつにどこに王国があるわけでもない。
主人公は英雄でもない。いや、もしかしたら英雄かもしれないが、それはわからない。
むしろ今回出てくる赤ん坊、「無」がポテンシャルに「王」たりえるのかもしれない。

この全体のストーリーは、修道院にいた少年「朧」をめぐる物語だ。
だが彼は聖人君子ではない。
修道院で院長とは男色の関係をもち、シスターを孕ませ、信者(アスピラント)とも関係を持ち、学生を殴り一生のこる傷を負わせ、下界に出れば人を殺し(しかも親)、という人間だ。
キリスト教は彼を救えない。
ただ、彼の周りの人々は宗教を信じる者もいるしキリスト者であっても信じていないものもいる。
そうしたなかで、朧が自分の心の王国を作り上げていく、という壮大な物語なのである。

かならずしも朧が出てこない短編もある。だが、それは朧を取り巻く人々が出てくることにより、間接的に朧が出てくることになる。
いずれにしても罪深い小説だ。

タイトルからはなかなか想像がつかない。 
汀にて、はシルバーヴァーグの「渚にて」を意識したタイトルなのかそうでないのか。

ちびまる子ちゃんの「みぎわさん」とは関係あるまいが(笑)。

ちなみに作者の飼っている犬「ブヒヲ」の写真が彼のHPに出ているので興味あるかたはどうぞ。

とにかくこのシリーズを読み進めるかどうかは、まずは 「ゲルマニウムの夜」を読み、それがテイストに合うかどうかで決めるべきだろう。この作品は芥川賞受賞作ではあるのだが・・・


まあ、芥川賞といえば、「蹴りたい背中」はよくても「蛇にピアス」はついていけなかった私は古いのかもしれないが、嫌いなものは嫌いだから。

読書は楽しむべきだ、と思うので、この王国記シリーズもあえて薦めはしない。
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by moon99999 | 2004-11-19 20:36 | 文学系

創竜伝


創竜伝 1
 田中芳樹  講談社文庫 1993年(おそらく初出はノベルスでもっと前)
http://qrl.jp/?138476


田中芳樹の本をまた読んでしまった。
しかもこれはかなり古い。
そしてシリーズが長い。
読み始めたら泥沼だろう・・・と思いつつ。

これも「ライトノベル」の範疇だろうか。
簡単で読みやすい。そして面白い。
超能力を持つ4兄弟の大河ドラマだが、第一巻ではまだその片鱗しか出てこない。

竜童家の四兄弟、竜童始、続、終、余は人間の力を超えた力を保有していた。しかしその片鱗が見えるだけだった。その四兄弟の力をわがものにする野望が彼らに襲い掛かり、自衛隊が4人に攻撃を始めたとき、末弟の余の力が発動、かれは竜となった・・・

というのが簡単な話だが。
ただこれはどんどん読み進められるので、時間ができたら手に入れておこうか。


http://qrl.jp/?138476
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by moon99999 | 2004-11-19 20:17 | SF

プリズンホテル

プリズンホテル

浅田次郎

プリズンホテル・夏 http://qrl.jp/?143554
プリズンホテル・秋 http://qrl.jp/?136251
プリズンホテル・冬 http://qrl.jp/?138042
プリズンホテル・春 http://qrl.jp/?155427

いまさら、とも思うがプリズンホテル、である。あの浅田次郎が書いたものだ。
純文学系ではなく、お遊び系だが。 全4冊。

主人公はやくざ小説で有名な作家(実は彼の名前「木戸孝之介」は、浅田次郎が売れない時期に使っていたペンネームということだ。彼はこれでリベンジしたことになる。)だ。義母、富江と事実上の妻というか愛人の清子と生きている。
彼が極道の叔父が買ったという「奥湯元あじさいホテル」、通称プリズンホテルにとまると、必ず事件が起こる・・・
なんせ、ホテルは極道(とほんの一部のカタギ、なぜか腕前は超一流の板前とシェフ)が運営しているし、客も基本的には極道だ。刑務所から出た連中が垢を落とす、とか自首する前の最後の娑婆をここで過ごしたりする。それだけならいいが、やはり間違った一般人もやってくるのだ。ただ、大体がわけあり、でやってきている。
警察の親睦会、妻がひそかに離婚を考えている夫婦、一家心中をもくろむ一家、作家を追いかける編集者、看護婦「血まみれのマリア」、家出小学生と有名登山家、間違って52年も服役した親分など。

「きんぴか」のメンバーが出てきたり、微妙に連動する浅田ワールド。

ユーモアの中に、人間の弱さが出てくる。
作者の人間に対する愛を感じさせる。

ミミズだっておけらだって極道だってみんなみんな生きているんだ、ということなんだろうな・・・
個人的には、秋が好きだが、全作品それぞれ面白い。

ところで、ハードカバーではなぜ各ページの番号が大きくでているんだろうか・・・謎だ。
(今回のアマゾンのリンクは文庫です。文庫のページがどうなっているかは確認していません)

お勧め度:☆☆☆☆★ (おふざけが嫌いな人には向かないかも・・・)
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by moon99999 | 2004-11-19 10:43 | エンターテインメント系