かなり長くなりそうだ。
まずは記事から。
http://tinyurl.com/e4bsh
<盗作?>篠原一さんの短編小説、既刊漫画と酷似 [ 08月18日 03時00分 ]
集英社の文芸雑誌「すばる」8月号に掲載された篠原一(しのはらはじめ)さん(29)の短編小説「19℃のロリータ」と、1998年に祥伝社から刊行された楠本まきさん(38)の漫画「致死量ドーリス」のストーリーが酷似している上、同じ表現が数カ所あることが分かった。両社は篠原さんが盗作した可能性があるとみて調査を進めている。
篠原さんは17歳だった93年、「壊音 KAI―ON」によって史上最年少で文学界新人賞を受賞した女性作家。代表作に「アイリーン」などがある。
「19℃のロリータ」は「B文学賞を最年少で受賞した」学生「僕」が主人公の一人称小説。若い女性の「きみ」にひかれるが、人生に意義を見いだせない女性は死を急いでしまう。
「致死量ドーリス」も「僕」と若い女性の「君」の物語。女性が死へと向かうストーリーが共通しており、特に(1)突然髪を切る(2)何種類ものかつらをつくる(3)体にはさみを刺して自殺未遂をする――など女性の行動が酷似している。「この部屋のエアコンディションは快適だ」「中途半端に破滅型なの」など同じ文言もあった。
読者らの指摘で事態が明らかになった。インターネットでも話題になっている。すばる編集部は「調査中」としている。 (了)
うーむ。
まずはもしこれが盗作、剽窃だとしたら、どうなるのだろうか。
1)認める
2)認めない
その2つだろう。前者の場合、「謝って済むなら警察はいらない」
わけだが。
以前の、田口ランディ氏の話は参考になるだろう。
彼女の作品は、インターネット上のサイトの情報をかなりパクって自分の作品にとりいれ、それを最終的に認めて、発表した作品を大幅に変更している。
だが実は彼女は公式に謝罪を続けているわけではないらしい。
それでも彼女は許されている。
なんといってもその後直木賞の候補になっているわけだから。
日本というのはもともとは盗作というものに対して寛容だった部分はあるだろう。
本来は「本歌取り」なんていう文化もあったわけだ。
それに、「オマージュ」とか「トリビュート」なんていうのもある。
まあこのあたりの違いは、原典を明らかにしているかどうか、だということではあるだろう。
本歌取りの場合には原典を明らかにしていなくても、有名な歌だからみなに伝わることを前提にはしている。
そこまでいかないケースもある。 たとえば、こっそり、他の作品をまねして、「お前らはわからないかもしれないがわかる人にはわかるんだ!」とやるケースだ。
たとえば、岡田斗司夫氏は、自分が製作したアニメで、いろいろパロディをやっているらしい。
「ここのシーンは宇宙戦艦ヤマトのあれとそっくりに」なんていうシーンをたくさん作っている。だがそれについては、誰にも言ってなかったようだ。 その後、BSアニメ夜話で舞台裏を明かしている。 また、ロトこと氷川竜介氏は、岡田氏のアニメのロケットの部分だけ解析して、それでもいろいろな事情を解き明かしている。
まあ、このあたりはご愛嬌だ。 著作権どうのこうの、ではないからだ。
それよりももう少し面倒なのは、大河ドラマでのケースだ。 最近、二審判決が出た。
http://tinyurl.com/dwbc6
NHK武蔵訴訟 黒澤氏側二審も敗訴 2005年 6月15日 (水) 06:15
NHKの大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」の一部が故黒澤明監督の映画「七人の侍」の盗作だとして、著作権を相続した長男久雄さんらがNHKと脚本家に1億5400万円の損害賠償とDVD化差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知的財産(知財)高裁は14日、請求棄却の一審東京地裁判決を支持、親族の控訴を棄却した。
判決理由で中野哲弘裁判長は1審判決と同様「ドラマと映画には類似した点がある」と指摘したが「映画の表現上の本質的特徴を、ドラマからは感じ取ることができない」などと著作権侵害を否定した。(了)
この場合には、「シーン」を再現した、というかよく似たケースにしたわけだ。
http://tv.dot.thebbs.jp/1074688443.html では、
黒沢さんらが問題にしているのは、昨年1月5日放送の第一話。
訴状などによると、村人が侍を雇って野武士と対決する基本的なストーリーのほか、豪雨の中で戦うシーン、主人公の武蔵が地面に突き立てた刀を抜くシーンなど十一の場面が「七人の侍」に酷似しているとしている。
代理人の弁護士は「著作権使用料を支払ったリメーク(再作品化)ではないばかりか、パロディーやオマージュ(賛辞)として一部をまねたのでもない。『七人の侍』のブランドにただ乗りした明白な著作権侵害行為」とし「映画史に残る名作のイメージを傷つけた」と主張している。 (了)
この辺になってくるとどうなんだろう。
争いがあるわけだ。
さて篠原氏が果たして盗作したのか。 その辺は今後明らかになっていくのだろう。
その後処理によっては、彼女の文壇での地位が危うくなることもあるだろうが、田口ランディ氏のように、「そんなこともあったかしら?」的なことになるのかもしれない。
まずは記事から。
http://tinyurl.com/e4bsh
<盗作?>篠原一さんの短編小説、既刊漫画と酷似 [ 08月18日 03時00分 ]
集英社の文芸雑誌「すばる」8月号に掲載された篠原一(しのはらはじめ)さん(29)の短編小説「19℃のロリータ」と、1998年に祥伝社から刊行された楠本まきさん(38)の漫画「致死量ドーリス」のストーリーが酷似している上、同じ表現が数カ所あることが分かった。両社は篠原さんが盗作した可能性があるとみて調査を進めている。
篠原さんは17歳だった93年、「壊音 KAI―ON」によって史上最年少で文学界新人賞を受賞した女性作家。代表作に「アイリーン」などがある。
「19℃のロリータ」は「B文学賞を最年少で受賞した」学生「僕」が主人公の一人称小説。若い女性の「きみ」にひかれるが、人生に意義を見いだせない女性は死を急いでしまう。
「致死量ドーリス」も「僕」と若い女性の「君」の物語。女性が死へと向かうストーリーが共通しており、特に(1)突然髪を切る(2)何種類ものかつらをつくる(3)体にはさみを刺して自殺未遂をする――など女性の行動が酷似している。「この部屋のエアコンディションは快適だ」「中途半端に破滅型なの」など同じ文言もあった。
読者らの指摘で事態が明らかになった。インターネットでも話題になっている。すばる編集部は「調査中」としている。 (了)
うーむ。
まずはもしこれが盗作、剽窃だとしたら、どうなるのだろうか。
1)認める
2)認めない
その2つだろう。前者の場合、「謝って済むなら警察はいらない」
わけだが。
以前の、田口ランディ氏の話は参考になるだろう。
彼女の作品は、インターネット上のサイトの情報をかなりパクって自分の作品にとりいれ、それを最終的に認めて、発表した作品を大幅に変更している。
だが実は彼女は公式に謝罪を続けているわけではないらしい。
それでも彼女は許されている。
なんといってもその後直木賞の候補になっているわけだから。
日本というのはもともとは盗作というものに対して寛容だった部分はあるだろう。
本来は「本歌取り」なんていう文化もあったわけだ。
それに、「オマージュ」とか「トリビュート」なんていうのもある。
まあこのあたりの違いは、原典を明らかにしているかどうか、だということではあるだろう。
本歌取りの場合には原典を明らかにしていなくても、有名な歌だからみなに伝わることを前提にはしている。
そこまでいかないケースもある。 たとえば、こっそり、他の作品をまねして、「お前らはわからないかもしれないがわかる人にはわかるんだ!」とやるケースだ。
たとえば、岡田斗司夫氏は、自分が製作したアニメで、いろいろパロディをやっているらしい。
「ここのシーンは宇宙戦艦ヤマトのあれとそっくりに」なんていうシーンをたくさん作っている。だがそれについては、誰にも言ってなかったようだ。 その後、BSアニメ夜話で舞台裏を明かしている。 また、ロトこと氷川竜介氏は、岡田氏のアニメのロケットの部分だけ解析して、それでもいろいろな事情を解き明かしている。
まあ、このあたりはご愛嬌だ。 著作権どうのこうの、ではないからだ。
それよりももう少し面倒なのは、大河ドラマでのケースだ。 最近、二審判決が出た。
http://tinyurl.com/dwbc6
NHK武蔵訴訟 黒澤氏側二審も敗訴 2005年 6月15日 (水) 06:15
NHKの大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」の一部が故黒澤明監督の映画「七人の侍」の盗作だとして、著作権を相続した長男久雄さんらがNHKと脚本家に1億5400万円の損害賠償とDVD化差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、知的財産(知財)高裁は14日、請求棄却の一審東京地裁判決を支持、親族の控訴を棄却した。
判決理由で中野哲弘裁判長は1審判決と同様「ドラマと映画には類似した点がある」と指摘したが「映画の表現上の本質的特徴を、ドラマからは感じ取ることができない」などと著作権侵害を否定した。(了)
この場合には、「シーン」を再現した、というかよく似たケースにしたわけだ。
http://tv.dot.thebbs.jp/1074688443.html では、
黒沢さんらが問題にしているのは、昨年1月5日放送の第一話。
訴状などによると、村人が侍を雇って野武士と対決する基本的なストーリーのほか、豪雨の中で戦うシーン、主人公の武蔵が地面に突き立てた刀を抜くシーンなど十一の場面が「七人の侍」に酷似しているとしている。
代理人の弁護士は「著作権使用料を支払ったリメーク(再作品化)ではないばかりか、パロディーやオマージュ(賛辞)として一部をまねたのでもない。『七人の侍』のブランドにただ乗りした明白な著作権侵害行為」とし「映画史に残る名作のイメージを傷つけた」と主張している。 (了)
この辺になってくるとどうなんだろう。
争いがあるわけだ。
さて篠原氏が果たして盗作したのか。 その辺は今後明らかになっていくのだろう。
その後処理によっては、彼女の文壇での地位が危うくなることもあるだろうが、田口ランディ氏のように、「そんなこともあったかしら?」的なことになるのかもしれない。
#
by moon99999
| 2005-08-18 12:17
| 本にかかわる話